
今回はiPhone 6を使ってiOS 9.3.3から10.1.1(14B150)にアップグレードする方法を紹介します。
前回の記事「futurerestore - Prometheusを使ったiOSのダウングレード・アップデートについて」を把握している必要があるので、事前に確認して下さい。
ダウングレード・アップグレードに必要なもの及び環境
- macOS Sierra 10.12.2
- iPhone 6 (iPhone7,2) iOS 9.3.3 脱獄済み
- iPhone7,2_10.1.1-14B150.shsh2 (no-apnonce)
- nonceEnabler
- futurerestore
- iPhone_4.7_10.1.1_14B150_Restore.ipsw
- iPhone_4.7_10.2_14C92_Restore.ipsw
記事執筆時点での署名されているiOSバージョンは「iOS 10.2」のため「iOS 10.2のIPSW」が必要になります。また、iOS 10.1.1が署名されていた頃のtsscheckerにはバグが有り、iOS 10.1.1のshsh2ファイルをiPhone 6sで取得してもデバイスモデルがN61APとなり、利用できないものとなっています。
iOS 10から一つのIPSWに複数のデバイスが含まれたのも原因です。
例えば、「iPhone_4.7_10.2_14C92_Restore.ipsw」の中にはiPhone 6 (N61AP)、iPhone 6s (N71AP:Samsung)、iPhone 6s (N71mAP:TSMC)の3つのモデルが含まれています。
現在のtsscheckerは、「--boardconfig」を使ってそれぞれ別に保存するようになっています。
デバイスモデル(CPU)の確認は以下のアプリで行なえます。
Battery Memory System Status Monitor
価格: 無料 サイズ: 5.1 MB
カテゴリ: ユーティリティ, 仕事効率化
iPhone/iPadの両方に対応 


(122件の評価)

1.CydiaからOpenSSHをインストールする

2.task_for_pid_0を有効にする
Luca Todesco氏が作成した「jbme」で有効にできます(通常のPanguアプリではできません)

3.nonceEnablerをデバイスに転送する
scp nonceEnabler root@192.168.x.xx:
IPはWi-FiのIPでパスワードはデフォルトの場合「alpine」最後の「:(コロン)」を忘れないように。
4.デバイスでnonceEnablerを実行する
ssh root@192.168.x.xx ./nonceEnabler
5.nvramコマンドでshsh2 (no-apnonce)で生成された値を書き込む
1)拡張子.shsh2を.shsh2.plistにリネームし、Xcodeで開く
2)generatorの値をコピー
3)以下のコマンドでnvramに書き込む
nvram com.apple.System.boot-nonce=generatorの値
4)確認
nvram -p
exit
futurerestoreを使用した復元
基本的には前回の記事と同様の方法です。
復元するには署名されているiOSのIPSWを利用するので、iPhone_4.7_10.2_14C92_Restore.ipswをiPhone_4.7_10.2_14C92_Restore.zipにリネームし、展開します。
BuildManifest.plistからデバイスモデルを確認し、それに合ったベースバンドファイル(Mav10-5.32.00.Release.bbfw)、Sepファイル(sep-firmware.n61.RELEASE.im4p)を抜き出します。
※括弧のファイルはiPhone 6 iOS 10.2のもの
それぞれ同じディレクトリに置いたら、以下のコマンドを実行します。
./futurerestore_macos -t iPhone7,2_10.1.1-14B150.shsh2.plist -b Mav10-5.32.00.Release.bbfw -p BuildManifest.plist -s sep-firmware.n61.RELEASE.im4p -m BuildManifest.plist -w iPhone_4.7_10.1.1_14B150_Restore.ipsw
ポイントはnonceEnablerでshsh2にあったnonceに設定したこと、ダウングレード・アップグレードしたいIPSWファイルを指定することです。
ビデオでの操作方法
まとめ
無事に現在署名されていないiOS 10.1.1へ復元できましたが、iOS 10.2と10.1.1ではSEPに互換性がないためTouch IDが働きませんでした。
また、iOS 10.1/10.1.1が署名されていた頃のtsscheckerのバグにより、iPhone 6では復元できましたが、iPhone 6sでは不可能でした。
Touch IDに関しては、iOS 10.2など正規の方法で復元すれば治りますが、もしiOS 10.2以降でJailbreak出来るようになった時に、そのバージョンでダウングレードした場合、正常に働くかは不明なところです。
今回はあくまでもテストで行ってみたので、実際には試さないで下さい。


コメント
コメント一覧 (6件)
CydiaEraserなどを使って正規ファイルによる復元してもSEPは治らないのでしょうか?
Cydia Eraserは現在のところiOS 10には対応していないため確認できません。
iPhone 6もベータでのJailbreakができない状態です。
ios9.0.2のiphone6をios10.2にアップデートした場合、touch IDが使える方法は今の所ないのでしょうか?
ios10.2.1〜脱獄できるようになったらしようと思います。
質問ですが、ipad airなので、SEPのバージョンが異なってもあまり影響はないですか?
また、一応聞きますが、今も出来ますか?
未検証なのでSEPの互換性は分かりません。
現在も出来るかと思いますが、今後対策される場合も無きにしもあらずです。
redditなどを見ると今も出来るようです。
それどころかwindows版も出てます
ただ、sepの互換性がないと、bootloopを起こすようです。
やる時に成功したら報告します